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Hair by Katsumi Matsuo
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で多くの業種、美容室はもちろん、私の撮影業務も影響を受けて変化を求められることになりました。その最中、アメリカを中心に黒人への人権無視に対するプロテストが大規模に行われました。
その中にはヘアスタイルに対しても差別の対象と感じられていた出来事がごく最近まで行われていました。
コーンロウの学生の入学を拒否するという学校、レスリング大会に参加した黒人の高校生が、ドレッドを切らなければ没収試合にすると通告、職場環境でも同じようなことが起きていたようです。
日本での感覚でいえば学校や職場でこのようなスタイルが好まれないのは当然のように思えますが、コーンロウ、ドレッドやブレイドはコミュニティ、年齢、配偶者の有無、富、権力、社会的地位、および宗教を示している場合があります。現代においても黒人の人々にとっては編み込みスタイルもアイデンティティーのひとつと言えます。
西アフリカ、スーダン、アフリカの角(ジブチ、エリトリア、エチオピア、ソマリア)全体で依然としてコーンロウをし、年齢、宗教的信念、親族関係、結婚状況、富を示し、自己表現の一種でもありました。
ガーナの編み込みは、今日ではバナナブレードまたはフィッシュボーンとも呼ばれ、ガーナの三つ編みの最も初期の描写は、紀元前500年頃に彫られた象形文字と彫刻に現れ、アフリカ人が編み込みを大事にしていたことを示しています。
フラニ族は、西アフリカとサヘル地域に住む世界最大の遊牧民コミュニティです。
世代を超えて女性に受け継がれる伝統には、家族の銀貨と琥珀を編み込みに遺産のシンボルとして、また美的目的で取り付けていました。
ゴッデスブレードは、古代アフリカの時代にまでさかのぼることもできます。それらは従来のコーンローと形状が似ていますが、編み込みは全体的に太く、隆起しており、非常に滑らかで明確です。それらはアートワーク、創造性、正確さ、そしてスタイルの新しい次元の象徴でした。
ボックスブレードは、南アフリカでは紀元前3500年までさかのぼることができます。
現代においても黒人の人々にとっては編み込みスタイルもアイデンティティーのひとつと言えます。
2019年7月3日、カリフォルニアのガビン・ニューサム知事がクラウン法に署名したのを皮切りに他の州にも広がり始めました。クラウン法の正式な呼び名は『Creating a Respectful and Open World for Natural Hair』地毛に対して敬意をもち開かれた世界を作る法であり、「人種や民族性による差別は禁止する」、「人種とはその人の髪型を含む人種的な特徴である」、「そしてその髪型とはブレイズ、ドレッド、ツイストを含む」という法で、髪型による人種差別の撤廃を目指す法案となっています。
髪と法律という一見無関係のように思えますが、なぜそれが起きたか、その理由や関係性を考えるといろいろと知ることができます。変化の多い今だからこそ、いろいろと歴史から学び、未来を想像するのも面白いかもしれません。
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